アイシスガイアネットDays - WEBマガジン・アイシスのスタッフによるブログ。

May 31, 2013

白扇酒造を訪問しました Part.9

本当にゆっくり搾られるみりん。出来具合はどんな感じかというと、まだまだ料理に使う色になっていません。


三年熟成本みりん」になるには、この後、みりんは3年寝かせられている間に琥珀色へと変化していきます。この時間の間に、グルコース、マルトース、トレハロース、イソマルトトリオースなどの糖類ができて、深い甘みを生み出し、旨み成分としてもち米のタンパク質が分解されて、無数のアミノ酸やペプチド類に変わってきます。またアルコール分によって黄麹菌自体も分解されて、タンパク質、核酸、糖類などになり、みりんに風味を持たせます。旨みを持つ甘み調味料として磨かれるのです。このような過程で作られたみりんを化学調味料によって人工的に作り上げようとしても、全てを計り切れないほどの糖類や旨み成分が混ざり合って作り出すおいしさは再現できません。


ほかに、お酒、漬物、納豆など、日本の発酵文化は絶対に続けていきたいもの。気候変動や環境保全など気を配らないと、環境の微妙なバランスに左右されて、菌が活躍できなくなってしまう。日本の食文化を守るためにも、環境保護は必要だと改めて気づきました。

May 27, 2013

白扇酒造を訪問しました Part.8

寒い蔵の中に居て、この寒さが重要なのだと身にしみました。でも、温暖化で冬の寒さがどんどん弱まったら、もろみはちゃんと仕込めるのだろうかと心配も出てきました。

場所を移して、みりんの搾りです。もろみを入れたいくつもの酒袋を大きな木の槽に重ねておき、2日間自重に任せて搾ります。無理に搾り出さないため、時間のかかる工程です。ゆっくりとたれ出てくるほんのり白く濁ったみりんを見ながら、このような時間をかける搾りの工程は今も昔も変わらないのだろうなと、薄暗い木造の蔵の中での作業風景を想像していました。

May 22, 2013

へちまの種2日目

昨日となんら変わらない様子。水の温度が気になるので、水を入れた後少しお湯を入れて、ぬるくした。何日後に芽吹くだろうか?

May 21, 2013

へちまを育てる

今年はへちまを育ててみようということになった。
ネオナチュラルさんからいただいた種をまずは芽吹かせる。

May 18, 2013

白扇酒造を訪問しました Part.7

室の中はあったかくてのんびりしたくなりました。


室とはうって変わって、ひやりとした冷気を感じる仕込み現場。
室で麹をつけられた米麹ともち米、焼酎を一つの瓶で混ぜ合わせ、2~3ヶ月ほど静置します。
この間に麹菌が全体に行き渡って、もち米のデンプンをどんどん分解していき、糖化し、みりんの甘さを作っていきます。お酒のおいしいにおいが立ち込めていました。

May 15, 2013

白扇酒造を訪問しました Part.6

精米後の糠は家畜の飼料などに引き取られていくとのこと。食べ物を粗末にしないシステムが食品製造産業に組み込まれていることがよく分かりました。

次に連れて行ってもらったのが、米麹を作る「室」。室の壁は杉の板張りで麹菌が住みやすそう。気温は30度に合わせてあります。 蒸したうるち米を室に運んできて、麹を満遍なく混ぜ合わせます。何度も切り返えして混ぜ合わせる時間のかかる手作業です。 米を小さな木箱に小分けして、次の日まで静置します。

すでに作業を終えて小分けされた米麹を見せていただきました。 「米粒ごとに麹がつかなければなりません」 とのことで、白い布をめくってみると、見事に米一粒ずつに麹が着き始めており、乾いたチャーハンのようにぱらぱらとして、米粒同士がくっついていませんでした。 麹は米内部に菌糸を張り巡らし、デンプンを糖に変化させる重要な役割を担っています。だからこそ、麹作りは丁寧に手作業で行われます。

May 13, 2013

白扇酒造を訪問しました Part.5

加藤さんは、水にも注意を傾けていて、敷地内にある仕込み用の4本の井戸の味を確認し続けているそうです。それぞれに味があるとのことでした。

米倉庫からフレコンに入れられた米が移され、今度は精米機にかけられます。精米機の機械音が工場の建物内に騒々しく響いています。見上げるほどの大きさ。10mほどもあろうか?

この大きな機械の中で米が磨かれています。上手く米と糠に分けられて、下から米が取り出されていました。磨きたりなくても、磨きすぎても、望んでいるちょうど良い味のみりんが作れません。

経験で培われた勘のいる緊張のみりん造りの始まりです。

May 6, 2013

白扇酒造を訪問しました Part.4

みりんが生まれたのは、焼酎が造り始められた戦国時代の頃ではないかとのこと。 1400年ごろからあった米、米麹、もち米で作る3~5%の低アルコールの酒、「練酒」に焼酎が入れられたようです。

「では、原料の米を見てください。岐阜県産の米を使っています」 と社長の加藤さん。事務所裏の倉庫に連れて行ってくれました。 倉庫にある米は、フォークリフトで運びやすいフレキシブルコンテナバッグ(通称フレコン)に入れて保管されていて、一袋1.08トン入っていると記録紙に書いてありました。

白扇酒造の本みりんの甘みや旨みの元となるもち米は、飛騨のきれいな水で育てられた「たかやまもち」が原料です。焼酎用の米は地元で育てられた「あさひのゆめ」。また仕込みに使う水は4本ある井戸からくみ上げた地下水。

原料について加藤さんは「できるかぎり地元産のものを使っていきたいです。それがこの町を活気づけることになりますし、ここの自然を守ることにもなると思います」と力強い。 この地元を大切にする意気があればこそ、昔ながらの時間と手間のかかる醸造法を続けられるのだろうと、話を聞きながら納得しました。

May 3, 2013

白扇酒造を訪問しました Part.3

昔、みりんは、甘いお酒として、また時には栄養ドリンクとして飲んでいたとは驚きました。

みりんの醸造工程は、ざっと次の順序になっています。 蒸したもち米、米麹と焼酎を混ぜてもろみを作り、2~3ヶ月熟成させます。 糖化、熟成したもろみを圧搾します。このとき奈良漬や最近ではクッキー作りにも使うこともある、甘いみりん粕が採れます。 そして、白扇酒造では、圧搾から3年間貯蔵して瓶詰めにします。 このようにして作られたみりんが「福来純三年熟成本みりん」です。

みりんが酒類に分類される理由は、もろみにする際に焼酎を混ぜるから。酒税法上は混成酒類と分類されています。

昔はみりんを甘いお酒として飲んでいたということもあります。 酒を飲む者の勝手な解釈をすると、アルコールの由来が焼酎からというので、 「みりんとは、甘みをつけた焼酎加工飲料なのである」、と見えてきました。

みりんのお湯割りでも飲んでみるか。



いや、甘すぎるか。